少年たちの狂おしい悩みがここにある。。。それを救うのが先生の仕事だ!

夜回り先生 4 (IKKI COMIX)

夜回り先生 4 (IKKI COMIX)





この作品は、水谷修先生が経験されてきたことを土田世紀先生が漫画化したものです。


水谷修先生は、横浜の夜間学校を長年にわたって勤め上げ、その後、夜の街を徘徊する少年たちに接し続けてきたことから、通称「夜回り先生」と呼ばれるようになりました。
夜回り後は、インターネットや電話で全国の若者から相談にのる日々を送ってらっしゃいました。


マスコミにも取り上げ、学校自体にも迷惑がかかるということで、教員を辞職され、全国をまわって、ドラッグの怖さ、若者の悲鳴、リスカ(=リストカット。特に女性に多い。主に不安感からくる自分の手首をかみそり等で切る行為)などについて現在、講演活動をされていらっしゃいます。


画は「編集王」で有名な土田世紀先生です。
この漫画は残酷な現実を読者に突きつけます。そのリアリティさが土田世紀先生の画がぴったりマッチします。




・・・・・以下は、私のごく私的な意見です。・・・・・


今、若者がおやじ狩りをしたり、親を刺したり、売春をしたり、いじめをしたり、リスカをしたり、ドラッグに走ったり、等等、おかしくなっているというニュースはもはや日常茶飯事となっております。

正直、どこか今の日本は狂っているんじゃないのかと私は心から思います。
その狂っている日本の現実をまともに受け止めようとするから、若者もおかしくなってしまうのではないかと感じます。


なにが原因か?
戦後の敗戦から日本の労働者(サラリーマン含め、私は労働者と言います)は、勤勉で、遅刻もせず、残業ももくもくとこなし、土日出勤も厭わず、出世競争を勝ち抜こうと努力し、その結果、日本は有数の経済大国になりました。


今や街に出れば、お金さえあればなんでも手に入ります。情報もインターネットでタダで手に入ります。
物質的にとても豊かです。苦労してきた先達の労働者に感謝しなければなりません。


しかし、人間関係は昔(昭和30年代)に比べて徐々に薄くなってきていると私は感じます。
友達がいない。頼れる人がいない。腹をわって話せる奴がいない。親との関係はよそよそしい。


日本の労働者は、会社一辺倒の生活をしてきたため、大人の男が、若者や自分の子供に教育を施してあげる時間が与えられなかったと思います。その大切な時間さえ会社は搾取をしたと思います。
親にしてみれば「俺の背中を見ればいつかわかる」と思っていたのでしょう。
それじゃあ子供は何にもわかりません。
男の大人の生き様を直接見せ、一緒に話す時間をもっと増やすことが、次の世代に健全なる大人にする大事な行為だと私は思います。