逝っちゃってる人も、愛らしくユーモアに・・・

SFの大家、ロリコンの元祖?吾妻ひでお氏の、限りなく現実に近いフィクションです。
昨年の書籍の売り上げで、Best5にずっと入ったり、賞をとったり色々と話題の本でした。


なんで話題なのか?鬼気迫るほどリアリティに満ち溢れた、自殺、放浪、土方、アル中(アルコール依存症)をテーマにしたことです。しかし、吾妻が他の作家と違うのは、それを全て体験しながらも!全てユーモアのオブラートで包んで読者に提供したことです。ここにプロ作家の意地を感じました。どれもこれも今の日本の影の部分を象徴するものばかりでありながら、暗いテーマを笑い飛ばし、娯楽にする力量に恐れ入りました。テーマの選び方、エンターテイメントの力で話題になったのだと思います。
日本にはこんな現実もあるのよ?という興味のある人にはどうぞ。



お品書き:『失踪日記』 吾妻ひでお イースト・プレス