21世紀の大人と少年たちへ奉げる、『リンかけ』の続編

1970〜80年代に大旋風を起こした、『リングにかけろ』略称『リンかけ』の正統な続編です。


リンかけ1』主人公高嶺竜児の永遠にして最大のライバル、剣崎順と高嶺竜児の実姉、菊の息子、剣崎麟童が主人公になります。この作品も前半と後半があると思います。
前半は偉大な父のプレッシャーから逃げるようにケンカで明け暮れる、今時の楽しければいいような半端な少年麟童でしたが、真の大人石松との出会いとボクシングとの出会いで本気で打ち込もうと志します。
後半は『リンかけ1』とだんだん似てきて、スーパーブローの応酬、『リンかけ1』でライバルだった息子たちとの戦いになります。


私の個人的な考えですが、車田正美は21世紀の日本を見て、恥も節操もない大人たち、罪も罰も知らない子供たちにこの作品で伝えたかったのだと思っております。
男の美学、大人の貞節、少年たちへ夢や目標、志を持つことなどです。


続編ものなので、是非先に『リンかけ1』を読んでおいてください。でないと作品中の重要なセリフもなんのことだかわからないこともあります^^;
また、続編ものですがストーリー、展開、コマまわし、ペンタッチどれをとっても昔に比べて進化していて、読者を飽きさせないようにしていると思います。


車田漫画が好きだった大人たちへ・・・
熱い男の漫画を読みたい少年たちへ・・・
送る漫画です。



お品書き:『リングにかけろ2』 車田正美 集英社