日本の漫画至宝の作品、漫画の神様の代表作といえば、これしかありません!!!

戦後少年・希望の未来を描くSF・少年漫画です。


あらすじなどいきます。
21世紀初頭(約2003年)、天才的科学者天馬博士は、交通事故で息子を失い、悲嘆にくれた。
ならばロボットを作り、子供として育てようとした。
しかし、ロボットはロボット。アトムに満足しない天馬博士は、サーカスにアトムを売り飛ばした。そこでアトムを見出したのは御茶ノ水博士。アトムのための良き協力者になり、ロボットの両親や妹を作り、学校にも通わせてくれるようになる。
アトムはロボットながら人間としての優しい感情を持つ。原子力で動き、正義のために活躍するのだ!その能力を紹介しよう!


アトムは7つの力を持っている。内容は以下の通りである。
1. ジェット噴射により最大マッハ5で空を飛ぶ(宇宙空間ではロケットに切り替わる)
2. 60箇国語を自由に話す(→漫画連載開始当時、国連に加盟していた国家の数である。但しその当時日本は加盟していない)
3. 人間の善悪を判断出来る
4. 聴力を1000倍(→10万倍との記述も有り)に出来る
5. 眼がサーチライトになる
6. お尻からマシンガン(→原作のうち子供用に描かれているものの一部(小学二年生版)と、カラー版と平成版では指先からレーザーブラスト(平成版での名前はフィンガービーム)。更に平成版では、左腕がアームキャノンに変型
7. 10万馬力(後に原作では100万馬力に強化:「地上最大のロボットの巻」)
(Wikiより引用)


長く人気を保った長寿漫画でもありました。
「アトム」が連載されていた頃は、戦後の敗戦から立ちなろうと日本国民が希望に燃えていた頃で、特に「アトム」を代表する、輝かしい未来を提示する「鉄腕アトム」は少年読者にとっての希望の星だったのではないのかと思います。ちなみに2003年4月7日がアトムの誕生日です。


もうひとつ「鉄腕アトム」のSF作品として突出して優れていた面は、未来のロボットの立場・人間とロボットとの共存の模索にもあります。
1)ロボットが人間の感情を持つことにより、人間を敵としてみなし、攻撃してよいのか?例え悪人であったとしても。
2)人間からロボットは、非情なまでの搾取・奴隷はいけないのではないか?
アトムは心を持ち、自我を持つため、人間の気持ちもわかるし、ロボットとしての自分の立場もあるので、お互いの言い分と立場がわかるため、苦悩します。これはアトムだからこそずっと苦悩せざるを得ない、もうひとつのテーマです。
SF作家のアイザック・アシモフ氏が提唱したロボット三原則を踏襲し、手塚治虫先生がさらに一歩踏み込んだ解釈をしようとされていらっしゃいます。少年向け漫画ながら非常にSF性の高い作品でもあります。


現在、SF漫画「PLUTO」浦沢 直樹 (著), 手塚 治虫 (著), 手塚 真 (監修) で、「鉄腕アトム」の時代設定などを得ながら、独自のミステリアスな雰囲気の作品を発表されていらっしゃいます。


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また、「鉄腕アトム」は日本TVアニメで日本のアニメ会社手塚治虫のプロダクションですが)最初に製作・放送された、歴史的作品でもあります。
現在でも主流の商法である、TV局からは小額の制作費を頂戴し、他のおもちゃメーカー等からのタイアップによりアニメ製作を捻出し、稼いだ逸話があります。


風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」等で著名なアニメ監督の宮崎駿氏は、上記の商法を行ったことで、日本のTVアニメはタイアップ商法に依存する体質ができてしまい、それに依存しないTVアニメが製作できなくなったとして、手塚先生の手法を厳しく批判しています。
戦後漫画に多大なる影響を与えた手塚治虫先生に対して、私の知る限り厳しい批判は少ないです。しかし、だからといって、漫画作品・アニメ作品に対し、あまりにも先生が神格化しているからこそ様々な批判・批評があっても良いかと思います。