大人の、男の人生を語る漫画です

最強伝説黒沢 11 (ビッグコミックス)

最強伝説黒沢 11 (ビッグコミックス)





前回は「課長 島耕作」と対照的に並べるようにこの漫画を紹介しました。
http://d.hatena.ne.jp/tao8/20061106
この作品はついに完結しました。
そこで今まではじめての試みとして、再度の紹介と、
今までこのBlogでは決してしてこなかった、ねたばれありで語ってみたいと思います。



・・・・・・・・・・ねたばれあり・・・・・・・・・・・・











主人公・黒沢は身体は大きいが気が小さいさえない44歳のおやじです。
土木作業員の仲間から人気を得ようとビールなど買いますが全て裏目に出ます。
そんなとき中学生からおやじ狩りのような喧嘩をしかけられ、必死になって戦います。
そこから仲間の信望を徐々に集めます。それから次々と新たな敵とぶつかり、勝利を収めます。
最後は浮浪者を守るため、暴走族との大きな戦いに望みます。


戦い終わった後、黒沢は走馬灯のように過去を思い出します。
自分は人間からすれば無力な蟻みたいな人生だったな・・・・
でも、無力でもあらがってきた!戦ってきた!
その戦いとは喧嘩ではなく、日常のコツコツとした仕事です。
そこに私は大きな感銘を持ちました。


人生は戦いです。なにが明日起きるかわかりません。
地震かもしれないし、仕事上のトラブルかもしれないし、家庭での問題かもしれません。
しかしながら今あるのは、毎日自分がなにかを築きあげてきたおかげだと思うのです。勤め人なら仕事。主婦なら家庭のこととか育児。学生なら勉強など。また自分におかれた環境でいろんな仲間や友情を培っていくのも大事なことだと思います。


人生は辛いです。賽の河原のように石を積み重ね、また壊されたとしても、しかし辛抱強く、根気強く、積み重ねることが大事だと黒沢は暗に語っているのです。


ラストは黒沢の死です。
今までみじめな人生だったかもしれないけど、ただ最後、黒沢はみんなから手を握ってもらって、最後は良かったなあ・・・。あったけえ・・・。と死んでいきます。


綺麗な終わり方です。いさぎよいです。


この漫画はなにかをしてきた人、苦労をしてきた人でないと黒沢の独白を理解できないでしょう。
お勧め年齢は30歳以上です。
若い人にも是非お勧めしたいです。将来どんな環境やどんなお金持ちになったとしても苦労はつきまといます。そのためのバイブルにしてください。


最後にこの感想を書くインスピレーションを与えて下さった記事をリンクします。黒沢よ。永遠なれ・・・・
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_323e.html


<追記>
作家の福本伸行先生のお写真があります。かなり渋くてかっこいい^^;
http://www.walkerplus.com/tokyo/20030624/bo1532_pkup.html