今日は梶原一騎特集で迫りたいと思います。
漫画の世界で、「漫画の神様」と言えば手塚治虫先生ですが、「漫画の魔王」は梶原一騎先生です。
両者全く逆のスタンスで作品を展開する先生です。


巨人の星」が大人気を博していたとき、手塚治虫先生は「何が面白いのか全くわからない!教えてくれ!」と言った逸話があります。手塚治虫先生の作品創作に対する姿勢は、新しいストーリー展開、新しい結末、新しいカテゴリーの作品への挑戦であって、あくまでべたに、お涙頂戴で展開する昼ドラのような「巨人の星」の創作のスタンスとは相容れないものがあったのでしょう。


梶原一騎先生は「あしたのジョー」「空手バカ一代」「タイガーマスク」等に代表される格闘ロマンを数多く発表し、戦後のスポーツ・根性・格闘漫画に大きな影響を与えた作家です。
他に「愛と誠」ではその当時の漫画ではふれられなかった、男性向けのピュアで熱血なラブストーリーも真正面から創作しました。


さらには、極真会館創始者大山倍達氏に傾倒し、「空手バカ一代」で極真会館の活躍を漫画にした広告塔としてブームを起こしました。しかし詳しい事情までは明らかになっておりませんが、梶原一騎先生は大山倍達氏と終生死ぬまでの絶縁状態になりました。また、アントニオ猪木監禁事件で社会生命を晩年絶たれた作家です。最晩年の作品「男の星座」は男が男に惚れた大山倍達氏との過去の邂逅などを綴って逝去されました。



前置きが長くなってすみません。作品紹介に移らさせていただきます。