まともに読むに耐えられないほどの悲哀・心をえぐるストーリー作品

作家はギャンブル・博打うちの心理描写を描かせたらもはや第一人者の福本伸行先生です。


44歳土木作業員、さえないおっさん、独身もてない金もない黒沢の、ただただ毎日の哀愁と苦難の日々を描く物語です。


作業場の人から人気を取ろうと、みんなの弁当にただ一切れの天ぷらを入れるだけで何話もあって黒沢の心中や行動が四苦八苦で、逆に裏目に出てしまいます。
さらには中学生のオヤジ狩りにあった黒沢は苦しみながら闘って勝ちました。
勝ったはいいが、その中学生は帰国子女でお金持ちで、英語イタリア語が話せてその上女にもてて喧嘩が強いと、仲良くなった後黒沢は一緒に遊ぼうとするのですが、遊ぶ世界が違って一人から回りする。涙涙のおやじ悲哀ストーリーです。


なんとも主人公がもどかしく、正直読むのが恥ずかしくて辛くなってくる程の、主人公の心の中をめくるめくようにねちっこく描写する福本伸行先生の力量に完敗です。


福本伸行先生の作品はギャンブルを題材にした漫画で高い人気がありますが、この作品では博打抜きで、ほぼ主人公の一人称心理描写のみで作品を完成させたところに特筆があると私は思います。