一休さん


今日は今の日本漫画文化の危うさを説こうと思います。


室町時代の僧侶・一休さんは色々逸話の多い人物ですが、
元旦に人骨のしゃれこうべを掲げて、
「お正月だからといってめでたいと言ってるんじゃない。
いつかはお前らもこうなるんだ」と、街を練り歩いたお話が
私にはすごく印象に残ってます。
(アニメの一休さんも好きでしたが^^;)


さて、今の日本漫画文化の危うさとはなにか?


1、人気のある漫画は、作者の構想関係なしに出版社の都合で長期連載させられること。
その商法を他の全ての漫画家にかせてるのも異常な事態だと思います。
2、人気漫画が長期連載作品になっている状態のため、まんが喫茶等でさくっと軽く気軽に、作品のディティールを知らなくても読みたいという、読みきり形式の漫画(有名例ではドラえもんです)がすごく減ったこと。
3、TVゲーム、アメリカのハリウッド映画のように、コンテンツ・情報発信元として漫画に対する年齢制限がないこと、です。



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1、は1980年代くらいから確立してきた商売なのでここではなにも言いません。
作家にとっても決して不利益ではないです。その理由とは雑誌で人気がないから連載を切られても、10週分画いたので、ちょうど単行本1冊のボリュームとして出版社が出版してくれることです。


2、は、ちょっと深刻かな?と、思います。
オペラ、クラシックは作曲家、指揮者、演奏家、舞台等造詣に詳しくなければ、観てて楽しくともなんともない部分が多々あると思います。要するにクラシックが世界共通項として築いた基本設定があります。


しかしながら、漫画にはそういうものはありません。日々進化しています。批評・評価の土壌も追いつかない状態だと私は思います。


現在、文壇・クラシック音楽・バレエ等の芸術が、批評家たちの権威主義的な文言ありきで進んでいるのは、私にあえて言わさせてもらえれば芸術として生きていない。死んでいる芸術です。
だから、戦後直後はムーブメントとして輝かしい才能が文学に集まったように(三島、太宰等)、今の日本のクリエーターは、お笑い、TVゲームデザイナー、漫画家になっているのではないでしょうか?


そして芸術は破壊の要素を持ちあわせております。岡本太郎のお言葉通り、「芸術は破壊だ!」です。
例えば現代社会の辛辣な風刺等(新聞にある社会批評の1コマ漫画が、漫画では代表例でしょう)。
既存にはない新しいものを創ろうとする先進性としかしながら現代社会とのマッチング。ピカソの「ゲルニカ」のように。


今の漫画業界は今まで築きあげてきたものにあぐらをかき、なおかつ、「成功したからこれでいい」みたいな慣例主義的観念が感じられてきています。
その考え方は芸術・文化(カルチャー)として、長期的に衰退する行いです。
最初にクラシック音楽で基本事項を知らないと仲間にも入れないと申し上げました。
それはまさしく今のオタクが漫画文化を独占し、漫画を敷居を高くさせている傾向にあると私は個人的に思います。オタクは購買力があるので出版社側もオタクにおもねる作品を出す、という危ういスパイラルがある傾向も感じられます。


今の日本漫画を題材に取らさせていけば、2つの道を必要としたいと思います。
1つ目は、「日本漫画」のオリジナリティの文化継承です。
一言で言うと、ストーリー漫画をこれからも創り発展していく姿勢です。
そこから今あるような週刊誌の激戦もあっていいし、成功したら億万長者になれてTV・映画等でメディアミックスするのも良いでしょう。
2つ目は、「ドラえもん」のような、一話読みきり作品。いつでもどこからでも読める作品の模索です。また、「ドラえもん」の作者、藤子・F・不二雄先生は逝去されましたが、今も漫画・アニメ・映画で続いております。これこそ継承文化と言えるでしょう。


最後の3番目です。
今の日本て、なにも知らない子供が普通にコンビニに入って、雑誌コーナーに行くとH漫画が並んでいますよね?
これって今、すごく非常識な社会じゃないですか?あまりに日常に溶け込んでいるので忘れてしまいがちですが。
世界の中でも日本は破廉恥だと私は感じますが、みなさんはどう思われますか?


しかしながらH漫画のあるおかげで、レディコミ・男性向け漫画で、独身比率の多くなった日本社会はそれでうっぷんをはらせることができます。それはそれで望ましいことだと思います。これだけ逆にH漫画が流通してしまえば、性犯罪の抑止にもつながってるのかな?とも思います。


H漫画は漫画いちジャンルとして成立していいと思いますが、タバコ・酒同様、精神的に大人になってから読むべきものじゃないでしょうか?
堂々と置くべき・読むべきものではないと思います。
(逆にかくれてコソコソ読むから面白いというのもありますが^^;)


小学生にH漫画は私は見せたくないです。今の時代、あまりに情報多寡で、商業優先主義ですが、分別を割り振るうべきです。


TVゲームは試行錯誤しましたが、ハリウッドの映画同様、第三者機関のレーティング(年齢制限)を行っております。暴力のひどいゲームは売るけど、その代わり18歳以上でないと売ってはいけないとかです。しかし、TVゲーム業界がハリウッドのシステムを見習ったことで逆に市場調査しなければいけなくなりました。そのおかげで大人だけが楽しめるゲームが出て、大ヒットしたゲームがあります。それが「龍が如く」(ヤクザ・アクション・アドベンチャーゲーム)です。


日本が世界に情報発信できる数少ないコンテンツとしてTVゲームと漫画がありますが、そういう年齢制限的なものをきちんと出版社同士で決めあい、馴れ合いにならず、第三者機関でジャッジし、売るという体制にすると、健全で、もっと可能性の広がるコンテンツに漫画はなりえるのではないかと私は思います。