ザ・バイブル

聖書 新約篇〈1〉豚に真珠をやるな

大家のジョージ秋山先生が描く、「聖書」です。
この偏以外にも何篇か出されていらっしゃるようで、今作品は新約聖書　イエス・キリストの生涯を綴ったものです。

このような古典や歴史や経済書の漫画化を、意欲的に本格的に手がけたのは、故・石ノ森章太郎先生だと思います。
※「三国志」の横山光輝先生もいらっしゃいます。（鉄人２８号、バビル２世の先生でもあります）
石ノ森章太郎先生は晩年になり、漫画で社会・森羅万象を描ける！と、漫画家から萬画家に改めました。
日本の歴史を何十巻に渡って執筆したり、日本経済の仕組みがわかりやすくような漫画を世にお送り出されました。

この作品を読まさせていただきましたが、聖書を漫画のコマをおおきくとり、誰にでも分かりやすくしていることを感じました。画風こそジョージ秋山先生を感じますが、作品自体は全く違います。もうひとつの特徴は本編の間に現代の挿絵を入れ、現代のストレス社会こそ聖書の文言は通じることを知らしめるように感じたことです。

ジョージ秋山先生は長い漫画家のキャリアを持つ先生で、青年誌で長い連載を持っている作家でもあります。江戸時代を背景に、遊び人と女人とを戯れる図などが有名だと思います。
特に女性の画は定評があり、女性のフェロモンを感じる艶めかしい太ももなど僕は好きです＾＾。

しかし得意としているそういう分野をあえてはずし、「分かりやすい」聖書。「現代の人に読んでもらいたい」聖書を描かれたのかなと思いました。

西洋人にとっては最低限の教養である「聖書」。日本の今を生きる我々も読んでみませんか？